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「僕が星になるまえに」感想 [B.カンバーバッチのこと]




☆海を見に行きたくなった……

有楽町ヒューマントラストで、ベネディクト・カンバーバッチの初主演映画「僕が星になるまえに」を観てきました。

ベネディクト作品は「シャーロック」「スタートレック イントゥダークネス」「ホーキング」と観てきて、どの作品も天才的な人物の役だったけど、今回の映画では普通の青年役。新たな一面が見られたような気がします。天才の役でなくても、やはり素晴らしい演技力でした。

美しいが、どこか淋しげなイギリスの景色がたくさん出てきて、鑑賞後はふらりと海を観に行きたくなりましたよ……。

☆期限つきの命

ふだん、私たちが忘れていることを気づかせてくれるような映画でしたね。
主人公の青年、29歳のジェームス(ベネディクト・カンバーバッチ)は不治の病となり、余命数か月と宣告される。
そして、世界一好きな場所、ウェールズ地方のバラファンドル湾へと友人3人と旅に出ます。

ジェームスは若くして死を宣告されてしまったけど、でも、人間は誰でもいつかは死ぬ。
ただ、いつ自分が死ぬかわからないから安穏と暮らしていられるんだなぁ、と。
ジェームスのようにもう時間がないとわからなければ、いつかやろうと思っていたことをやらないまま、死の床につくことになるかもしれない。
落語の「死神」では、人間の寿命が燃えているロウソクで表されていました。
自分の命のロウソクの、残りの長さはあとどのくらいなんだろ?
なんて思うと、漫然と日々を過ごしてしまいがちな自分をちょっと反省……。

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☆死後の世界観

ジェームスは、死んだら、
「僕はきっと光の中を舞うチリになる」
と言いました。
ロマンティックな発言ですね。

友人(ビルかデイヴィー?)は、リ・インカーネーション(輪廻転生)して生まれ変わると言う。

友人マイルズは「死んだら腐って、それでおしまい。あとは何もない」というような発言をしました。
これはまもなく死にゆくジェームスにとっては残酷なように聞こえました。
マイルズの「死んだらおしまい」という考え方だと、「死」が救いようもなく恐ろしいものに思えてきてしまう。

私の死後の世界のイメージは、小学生の時に読んだ手塚治虫「火の鳥」鳳凰篇で、輪廻転生について強く刷り込まれたように思います。
それは茜丸が夢の中で輪廻を体験するシーンでした。
肉体とは別に魂があって、死後は体を離れて何かに生まれ変わる。

あるいは何かエネルギー体として宇宙をとびまわるとか、そんなイメージです。
ジェームスの「光の中のチリ」にも近いかも。
自分が自分であったということを忘れても、何か別のものとして存在し続けるように思えるのです。

☆ジェームスの選択

そして旅のラスト、バラファンドル湾でジェームスがとった衝撃の行動。
ここのところ、迫真の演技でした。
人生最後に行きたかった場所で……。
つらいことだけど、マイルズはジェームスの意志を尊重して、最後は見守ったんだと思います。

ただ気になったのは、ジェームスのそれまでの人生があまりよくわからなかったこと。
友人たちの事情はわりと描かれてましたが、ジェームスに関しては、恋人のこととか仕事のこととか、あまり描写がなかったような? 
もうちょっとそこらへんのこと描いてほしたかったな、と。

でも総括すると、やっぱり観に行ってよかった!!

☆エンドロールで……

あと、エンドロールで、主演のベネディクトの名が先頭でなく二番目で、友人デイヴィー役のトム・バークの名が先頭だったのはなぜかな?と友人が指摘。

たしかに普通、主役が先頭ですよね。

で、トム・バークを調べてみたら……デビッド・バークの息子なんですね!
デビッド・バークは、グラナダ版「シャーロック・ホームズの冒険」で初代ワトソンをつとめた方。
う~ん、ここでシャーロックつながり!!

この映画、ベネディクトが「シャーロック」でブレイクする前だったので、もしかしてトム・バークの方が知名度が高かったからなのかな?

知名度? 登場順? ギャラ順?
どうでもよいのですが、気にしだすと気になる名前の並び順。

さて、次のベネディクトは、2014年1月上映予定の「ミスティック・アイズ」だ!

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「僕が星になるまえに」(原題Third Star) 2010年 イギリス映画
【監督】
ハッティー・ダルトン
【キャスト】
ジェームス……ベネディクト・カンバーバッチ
マイルズ………J.J.フィールド
デイヴィー……トム・バーク
ビル……………アダム・ロバートソン
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