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「トリック劇場版ラストステージ」と「新作スペシャル3」の感想 [邦画の感想]





1月12日、公開2日目の「トリック劇場版ラストステージ」を、続いて翌日、録画しておいた「トリック新作スペシャル」(12日放送)をまるっとまとめて見ました。
新作を2日連続で見るなんて、なんて贅沢!

それにしても、14年間という、このシリーズの長さにもあらためて驚きました。
本当に最後なんですね~。
さみしいです……。
笑いの小技(小枝ではないよ)をちょこちょこ繰り出してくる独特の「トリック」ワールド、そしてクセのあるキャラクターたちが大好きでした。

テレビシリーズを見始めたときは、斬新な手法にワクワクしながら見ましたが、今回の映画を見るにあたっては、長年知っている人に会いに行くような安心感?があって、何かを期待するというよりも、山田奈緒子(仲間由紀恵)、上田次郎教授(阿部寛)コンビの、いつものゆるいやりとりを見たいなー、という感じでしたね。

さて、今回の「トリック劇場版ラストステージ」は、海外が舞台。
スンガイ共和国(ロケ地はマレーシアかな)の国家元首らしき人物の肖像が、第1シリーズ第1話「母之泉」の教祖菅井きんでしたね。
最後で原点に戻る、ということでしょうか。

で、ムッシュム・ラー村の呪術師の名がボノイズンミ(水原希子)。
やはり「母之泉」から?

村上商事の社員役として東山紀之が出てましたが、メガネをかけていたのですぐにはわからず。
神経質な性格を表すのに目もとをぴくつかせたり、上手いですね。
北村一輝のゲイの医師もよかったです。

ガッツ石まっ虫も出てきたし(笑)

刑事矢部謙三(生瀬勝久)の後輩刑事(初代)だった石原達也(前原一輝)もなつかしかった~。

最後の方で、奈緒子が封筒に100円玉を入れるマジックをやりますが、これはテレビシリーズ第1話で、初めて奈緒子と上田教授が出会った場面と同じシチュエーションで、映像が当時のものと時々オーバーラップしてましたね。

第1話で奈緒子が「私は本物です」と言ってましたが、本当に奈緒子は「本物」だったのね。
それにしても、14年間、仲間由紀恵があまり変わっていないことにも驚きました(阿部寛も)。

最後の場面はあれっこれで終わり?という感じ。
けれども、終わりで始まりの場面につながり、奈緒子と上田教授のコンビは、きっとこれからもどこかで不可思議な珍道中を繰り広げていくのかもしれないなぁ、というような余韻が残りました。


そして、順序が逆になっちゃいましたが、次に観たテレビドラマの「トリック新作スペシャル3」は長野県尾古溝村(おこみぞむら)の旧家・水神家が舞台。
横溝正史「犬神家の一族」へのオマージュみたいになってます。

横溝作品は大好きなので、海外が舞台の劇場版よりも「新作スペシャル3」の方が雰囲気としては好きですね~。

シロアシ群生地とか、あいかわらず小ネタで笑わせてくれます。
トリック新作スペシャル3-シロアシ群生地.jpg

尾古溝村にあった立て看板には、今まで「トリック」で登場した村の名前が。
意外とどの村も近かったのか?
トリック新作スペシャル3-看板.jpg

そして、水神家の三姉妹、華絵(国生さゆり)、月子(藤田朋子)、幸代(飯島直子)の濃ゆい三姉妹もよかったです。

「バレンタイン・キッス」とか、「癒し系」とか、若い人にはなんやらわからないかもしれませんね。
弁護士の佐伯恒三(上條恒彦)が時々いい声で歌っていましたが、これも何歳以上の人がわかるのかなぁ?
まあ、わかる人がわかればいいんですけども。

幸代の娘、水神冬子(松岡恵望子)のヘアスタイルが、映画「マーズ・アタック」を連想してしまい、すごく気になりました。
月子のメイクやヘアスタイルもなんだか不思議テイスト。

話の筋や謎解きもスペシャルにふさわしいものとなっていましたね。

今回ネットで、シリーズ当初からよく見かける奈緒子の熱狂的なファン役に、ちゃんとした名前があることを知りました。今ごろになって、なんですが。
その名は照喜名保(てるきな たもつ)。
俳優さんは瀬戸陽一朗だそうです。
いつもちょろっとしか映らないけど、気になる存在でした。


というわけで、「トリック」終了~。
14年間ありがとう~!!
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「僕が星になるまえに」感想 [B.カンバーバッチのこと]




☆海を見に行きたくなった……

有楽町ヒューマントラストで、ベネディクト・カンバーバッチの初主演映画「僕が星になるまえに」を観てきました。

ベネディクト作品は「シャーロック」「スタートレック イントゥダークネス」「ホーキング」と観てきて、どの作品も天才的な人物の役だったけど、今回の映画では普通の青年役。新たな一面が見られたような気がします。天才の役でなくても、やはり素晴らしい演技力でした。

美しいが、どこか淋しげなイギリスの景色がたくさん出てきて、鑑賞後はふらりと海を観に行きたくなりましたよ……。

☆期限つきの命

ふだん、私たちが忘れていることを気づかせてくれるような映画でしたね。
主人公の青年、29歳のジェームス(ベネディクト・カンバーバッチ)は不治の病となり、余命数か月と宣告される。
そして、世界一好きな場所、ウェールズ地方のバラファンドル湾へと友人3人と旅に出ます。

ジェームスは若くして死を宣告されてしまったけど、でも、人間は誰でもいつかは死ぬ。
ただ、いつ自分が死ぬかわからないから安穏と暮らしていられるんだなぁ、と。
ジェームスのようにもう時間がないとわからなければ、いつかやろうと思っていたことをやらないまま、死の床につくことになるかもしれない。
落語の「死神」では、人間の寿命が燃えているロウソクで表されていました。
自分の命のロウソクの、残りの長さはあとどのくらいなんだろ?
なんて思うと、漫然と日々を過ごしてしまいがちな自分をちょっと反省……。

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☆死後の世界観

ジェームスは、死んだら、
「僕はきっと光の中を舞うチリになる」
と言いました。
ロマンティックな発言ですね。

友人(ビルかデイヴィー?)は、リ・インカーネーション(輪廻転生)して生まれ変わると言う。

友人マイルズは「死んだら腐って、それでおしまい。あとは何もない」というような発言をしました。
これはまもなく死にゆくジェームスにとっては残酷なように聞こえました。
マイルズの「死んだらおしまい」という考え方だと、「死」が救いようもなく恐ろしいものに思えてきてしまう。

私の死後の世界のイメージは、小学生の時に読んだ手塚治虫「火の鳥」鳳凰篇で、輪廻転生について強く刷り込まれたように思います。
それは茜丸が夢の中で輪廻を体験するシーンでした。
肉体とは別に魂があって、死後は体を離れて何かに生まれ変わる。

あるいは何かエネルギー体として宇宙をとびまわるとか、そんなイメージです。
ジェームスの「光の中のチリ」にも近いかも。
自分が自分であったということを忘れても、何か別のものとして存在し続けるように思えるのです。

☆ジェームスの選択

そして旅のラスト、バラファンドル湾でジェームスがとった衝撃の行動。
ここのところ、迫真の演技でした。
人生最後に行きたかった場所で……。
つらいことだけど、マイルズはジェームスの意志を尊重して、最後は見守ったんだと思います。

ただ気になったのは、ジェームスのそれまでの人生があまりよくわからなかったこと。
友人たちの事情はわりと描かれてましたが、ジェームスに関しては、恋人のこととか仕事のこととか、あまり描写がなかったような? 
もうちょっとそこらへんのこと描いてほしたかったな、と。

でも総括すると、やっぱり観に行ってよかった!!

☆エンドロールで……

あと、エンドロールで、主演のベネディクトの名が先頭でなく二番目で、友人デイヴィー役のトム・バークの名が先頭だったのはなぜかな?と友人が指摘。

たしかに普通、主役が先頭ですよね。

で、トム・バークを調べてみたら……デビッド・バークの息子なんですね!
デビッド・バークは、グラナダ版「シャーロック・ホームズの冒険」で初代ワトソンをつとめた方。
う~ん、ここでシャーロックつながり!!

この映画、ベネディクトが「シャーロック」でブレイクする前だったので、もしかしてトム・バークの方が知名度が高かったからなのかな?

知名度? 登場順? ギャラ順?
どうでもよいのですが、気にしだすと気になる名前の並び順。

さて、次のベネディクトは、2014年1月上映予定の「ミスティック・アイズ」だ!

***********************************
「僕が星になるまえに」(原題Third Star) 2010年 イギリス映画
【監督】
ハッティー・ダルトン
【キャスト】
ジェームス……ベネディクト・カンバーバッチ
マイルズ………J.J.フィールド
デイヴィー……トム・バーク
ビル……………アダム・ロバートソン
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「ヘルボーイ」&「ヘルボーイ2/ゴールデンアーミー」の感想をまとめて…… [洋画の感想]





すばらしい造形美にビビビッ!

たまたまケーブルテレビで「ヘルボーイ」を途中から見かけ、目が釘付けに!
そのクリーチャーの造形美にドーンとやられてしまいました。

DVDのジャケットを見ただけではぜったい観なかった映画だと思います。
なぜなら……ヒーローのヘルボーイ(レッド)がカッコよくない感じだし……。
それに原作のアメリカンコミックにも馴染みがないし。

観てみると「ヘルボーイ」という作品は、「スパイダーマン」に勝るとも劣らない、すごいVFXを使ったアクション大作なのでした。なのに、日本での知名度がイマイチなのは、主人公レッドのルックスのせいかな。でも、ああ見えてレッドは十数匹の猫と暮らす、かわいげのある人なんですよ~。

物語の導入部は、第二次世界大戦中、ナチスが世界征服のため「ラグナロク計画」というオカルト作戦を実行して魔界への入口を開けてしまう、というエピソードから始まります。
そういえば「インディジョーンズ/レイダース失われたアーク」でも、ナチスが超常現象を利用した軍事計画を企てる、なんていう似たような筋書きがありましたね。


元人間のクロエネン……

「ヘルボーイ」「ヘルボーイ2/ゴールデンアーミー」を通して、冥界の悪魔サマエルとか、「歯の妖精」とか恐ろしいクリーチャーが色々出てきますが、最もこわい!と思ったキャラクターはナチス親衛隊のクロエネンです。
クロエネンは、ラスプーチンの傀儡(くぐつ)のような存在なのですが、全身の血は乾いていて体には砂がつまっています。
心臓のところにはゼンマイのような機械がついていて、ゼンマイの巻き方によっては仮死状態になることもできるという……。
このゼンマイを調節して仮死状態になるときの、痙攣するような動きがなんともすごい。
人間に似ているけど、人間らしい感情を持っていない……そのあたりが一番こわいと感じるポイントなのかもしれないですね。

ジョン・ハートといえば……

ヘルボーイの父親代わりのブルーム・ブルッテンホルム教授は、ジョン・ハートが演じています。
たまたま最近観た映画「裏切りのサーカス」ではコントロールという役で出てました。

ブルーム教授.jpg
ブルーム教授(ジョン・ハート)

ジョン・ハートは「エイリアン」「ハリーポッター」など、出演作多数の名優ですが、SFパロディ映画「スペースボール」(1988年)なんかにも出演していたのですね! しかも「本人役」として。

「スペースボール」では、宇宙のファーストフード店で食事中に体内に寄生していたエイリアンに腹を食い破られる男の役でした。
ジョン・ハートは昔、映画「エイリアン」で、最初にエイリアンに腹を食い破られた役を演じたため、「スペースボール」では「またか」と嘆き、さらに"Himself(本人)"とクレジットされた、という。「スペースボール」は主に「スターウォーズ」をもとにしたパロディでしたが、ジャバ・ザ・ハットならぬ、ピザ・ザ・ハットなんていうキャラクターが出てきたりして笑えました。

人間の心には穴があいていて……

「ヘルボーイ2/ゴールデンアーミー」の冒頭で、ヘルボーイの育ての親、ブルーム教授が幼いヘルボーイに太古の物語の本を読み聞かせます。

「人間の心には穴があいており、
物や力や知識をいくら得てもそれは埋まらなかった。
尽きぬ欲望を満たすため、人間はすべての大地を支配することを夢見た」

幼いヘルボーイは、ただのお話だよね? と言いますが、これは夢物語ではなかったのでした。
そして、人間と対立するエルフ、ヌアダ王子が敵役となります。
前作の敵役ナチスは完全悪だったけど、今回のヌアダ王子はエルフ側から見ればレジスタンス的な存在で、完全に悪と言い切れないだけに前作よりも深い内容になっていると思います。

それにしても、すごいな~、とホレボレしたのがヌアダ王子の立ち回り。
銀の槍(シルバーランス)の使い手で、驚異的な身体能力の高さと立ち回りの速さを見せつけます。カメラワークもすごい。
このヌアダ王子の立ち回りシーンだけでも、映画館の大画面で観たかったなー、と。

ヌアラ王女.jpg
ヌアラ王女…神秘的な瞳。白目の部分がほとんどないのね

「ヘルボーイ2」は、エリザベス・シャーマン=愛称リズ(セルマ・ブレア)がレッドの子をみごもったというところで終わったので、「ヘルボーイ3」でぜひとも続きを観たいものです。
前作からだいぶ年月が経ってしまいましたが、制作の予定はまだなさそうですね。


好きなキャラクターベスト5(私の個人的な)
"HELLBOY" my favorite characters


NO.1 エイブ・サピエン(ダグ・ジョーンズ)
エイブ.jpg
通称ブルー。
サイコメトリー能力を持つ、青い水棲人。
主人公レッドの相棒的存在で、レッドとは反対に温厚で紳士的な性格。
まばたきする感じとか、いいですね……。ヒンヤリしてそうな質感もいい!
ダグ・ジョーンズのスリムなボディだからこそ成立しているキャラクターだと思います。

NO.2 ヨハン・クラウス
ヨハン・クラウス.jpg
エクトプラズムの権威の博士で、レッドたちの指揮官。
もとは人間だったのに、ある事故をきっかけに半機械のガス人間になってしまったそうです。
口元のクルクル動く仕掛けが何とも愛らしい。
そしてボクトツな性格がなんとなくドイツ人気質を感じさせます。
レッドに殴られてヘルメットが割れ、中身の霊体(エクトプラズム)が抜けちゃったり、ユーモラスなところもいいですね。
ジョン・アレクサンダーが演じていますが、鍛冶職人のゴブリン(下半身が車の)の一人二役だそうです。

NO.3 死神(ダグ・ジョーンズ)
死神.jpg
顔に目がないんだけど、代わりに羽根にたくさん目がついています。
目のない顔ってすごくこわいんたけど、後ろから見たときの羽根の形が美しい……。
エイブ(ブルー)役のダグ・ジョーンズがこの死神も演じているそうです。エイブも死神も顔が隠れていて素顔がわからないけど……。

NO.4 ヌアダ王子&ヌアラ王女(ルーク・ゴス&アンナ・ウォルトン)
ヌアダ王子&ヌアラ王女.jpg
エルフ(妖精)の国、ベツムーラ族の双子の王子&王女。
片方がケガすると、もう一人も負傷してしまうという深い絆の兄妹。
ヌアダ王子は、名乗りをあげるときに「シルバーランス」(銀の槍)というところががカッコイイ!
顔に継ぎ目みたいなデザインがあって、金色の瞳の色が神秘的な印象のエルフです。

NO.5 エリザベス・シャーマン(セルマ・ブレア)
リズ.jpg
愛称リズ。
念動発火を操る女性で、レッドと同じ超常現象調査防衛局(BPRD=BUREAU FOR PARANORMAL RESEARCH AND DEFENCE)のエージェント。
特殊な能力があるために過去に迫害た経験があり、美しいだけでなく、憂いをたたえた表情が魅力的です。

**********************************************
「ヘル・ボーイ」(原題Hellboy) 2004年 米映画
「ヘル・ボーイ2/ゴールデンアーミー」(原題Hellboy II: The Golden Army) 2008年 米映画
監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:ロン・パールマン,セルマ・ブレア





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